中国抗日デモに思う

毎日テレビで、日中関係について熱く報道がされています。今年の当校の研修旅行は何と、その抗日デモが盛んに行われているときと重なってしまいました。旅行に参加されなかった生徒さんから、大丈夫でしたか?とたくさん聞かれます。実際の北京の様子は、日本の報道が私たちに与える印象ととかなり違っていました。帰ってきてからすぐにFecebookにUPした文章と、大連にいる古い友人が送ってきてくれたメールをここに転記します。 

 

【Fecebook】

今日、北京から帰ってきました。学校の研修旅行で行ったのですが、運悪く(或は中国語学習者としては運良く)連日の抗日デモ騒動と重なってしまいました。私たちがいた間、北京のテレビは一切抗日デモの様子は報道しておらず、心配した家族が電話をしてきて、ああそうなのと知ったくらいです。帰ってきてテレビを見ると、あたかも中国全土が沸騰しているかのように報道されていますが、デモが行われている地域以外、街は全く平穏です。日曜日の夕方になって、あちこちに公安が増えたかなという程度です。

 中国ではデモの様子は報道されていませんでしたが、連日日本の反応を大げさに長時間伝えていました。当然、関心は高いです。商店や食堂で中国語をしゃべっていると必ずどこから来たのか聞かれます。日本人だと伝えると、二つの反応がありました。一つはどうして中国語がそんなにうまいのか?との質問。もう一つは、おおお!!という反応。しかしこれもそれ程深刻な反応ではなく、おお、今最も旬な話題がここに!といった感じです。
 食堂の兄ちゃんは、「日本と戦争になったらどうする?」と聞いてきました。めんどくさい議論とかしたくないので「やめようよその話題。私たち皆中国語を勉強していて、中国が好き(?)なんだから。」というと、「いや別に非難しているんじゃなくて、もしそうなったらどうするか聞いてるだけさ」と。そして「俺たち一般市民は関係ないよね。これは国と国の問題だからね。」と言って、作業に戻りました。
 万里の長城の売店のおじさんもちょっと揶揄うかの様子で「ああ、日本人、もう、ほんとに!」と言ってましたが、すぐにに「日中友好が大事さ!」といったかと思うと、胡錦涛のものまねで「日中両国の友好を促進させ、双方の経済をますます発展させる云々」と始め大笑いをしてしまいました。
 大柵蘭の凍糖葫芦(サンザシの飴がけ)売りのおじさんは「魚釣(尖閣)はどこの国にのものだと思う?」と聞いてきました。とっさに「わからない。」と行ったのものの、ちょっと考えて「日本人の立場からは、あれは日本の領土であるというべきだ。」と答えると、「そうだね。当たり前だ。」と笑っていました。

 普通の人々はいたって平穏に生活しています。テレビの報道は明らかにある意図を持ってます。もし私が空港でインタビューされて「いえ、なんともないですよ。どこでデモがあってたかも知らないし。すごく楽しかったです。」とか答えたら絶対テレビでは流さないでしょう。私は2005年の抗日デモ報道以来、旧来のメディアを全く信用していません。皆さんもあまりテレビの報道を鵜呑みにして踊らされないでくださいね。

 
 
【友人からのメール】
各位: 
 連日、日本国内報道では、中国各地で反日デモおよび暴動、暴走のことばかり流されていると伺っております。この報道をごらんになってから、中国が嫌いになったり、中国人嫌いになったりしている方がおられると思います。
 ご承知のように、今年は中日国交正常化40周年であります。行政から民間まで、40周年のために、お祝いイベントを前から企画しておられましたので、全部パーになったのは本当に胸が痛くてなりません。
 両国民が祝賀の雰囲気から憎む状況に陥ったのはなぜでしょうか。
 小生の愚見では、政治家のパフォーマンスとアメリカの今後の戦略中心をアジアに移転する要因であります。
 しかし、ここで申し上げたいことは本当の中国の事情真相を説明したいです。
 1964年故周恩来首相の提唱で、大連で日本語専門学校(今の大連外国語大学前身)を設立しました。今まで、何百万の日本語人材を育てています。大連に20あまりの大学にほとんど日本語学科を設けています。大連だけでは、日本語がわかる人材はなんと30万人もいます。中国全土では、500余りの大学に日本語専攻学科を設けています。日本にいる何十万中国人と中国にいる十何万日本人がお互いの文化を理解し、相手の生活環境に溶け込み、暮らしています。
 この二三日起きた反日運動に参加した人はわずかでした。北京の人口は1000万を超えています。しかし、反日運動に参加した人はわずか1000人しかなかったのです。一万分の一です。しかも、日系車(中国で製造車がほとんど)、日経デパート、コンビになどを襲った中国人をすでに警察に逮捕されました。中国のネットでは、この暴走、暴動行為に対する批判ばかりです。
 昨日、私は大連市内に行ったとき、隣を通った日本人観光客が何気無く、しかもいつもどおりに観光に行かれたことを見て、なんだか心が温かいです。なにかあったら、必ず助けてあげると思っている私のような中国人は主流です。おそらく、日本でも同じように、中国人がなにかあったら、周りの日本人に助けられるに違いありません。
 40年間築いてきた友好の成果をぜひ続けて拡大していきたいです。このよう真実のことをわずかでもいいから、周りの親族や友達にお伝えください。
 中日友好だけではなく、世界平和友好はいつも変わらない主流です。
 ここで謹んで日本の皆さんの冷静と中国国民の冷静をお願い申し上げます。


コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    Creola Schroyer (木曜日, 09 2月 2017 22:21)


    Great post. I am experiencing many of these issues as well..

お問い合わせ

TEL: 093-531-6664

おおむね 11:00~21:30

 定休日 木曜日・日曜日

お問合わせはこちらから